海外でも使えるSIMフリー端末
-実践例-

復習

今までの投稿でだらだらと書いてしまったが,要するに次の2点だけ気を付ければよいだけの話だった.

  1. 通信方式
  2. 周波数







実践例:Zenfone GOにUQ mobileのSIMを挿す

これまでの知識でZenfone GoにUQ mobileの音声SIMをさした時にどうなるのかを見てみよう.

まず,UQ mobileはauの基地局を用いているため,auの基地局がどのような通信方式や周波数に対応しているのかを見なければならない.auが提供している通信方式はこちらのauのページによると「LTE」と「CDMA2000」のようだ,前者は4Gの通信規格でのFD-LTEのことであり,後者は3Gの通信規格である.なぜ4Gと3Gの通信規格を混ぜて使っているかというと,4Gはネットに接続する際に使い3Gは電話をする際に用いるのだ.以前のポストでは書いていなかったが,日本では電話は3Gと決まっていた.最近になって,4GのLTEを用いて通話を行う VoLTE(VOice LTE)が巷に回り始めている.
 さらにauの周波数帯がどうなっているのかを調べると,au公式から出ているのは先ほどのリンク先を見るとBand1, Band3, Band8, Band11, Band18, Band19, Band21, Band26, Band28のようである.


UQ mobileエントリーパッケージ au対応SIM(VoLTE、マイクロ、ナノ) データ通信/音声通話 月額980円(税抜)~/VEK38JYV

ここまでで確認すべきだった情報は,UQはauの基地局を使っている,auは「(FD-)LTE」と「CDMA2000」の二つの通信方式を提供している,Bandは1, 3, 8, 11, 18, 19, 21, 26, 28を使っているということである.


エイスース SIMフリースマートフォン ZenFone Go ブラック ZB551KL-BK16

次に携帯の電波の条件を見る.Zenfone Goの仕様書をみるとFDD-LTEと言う文字が見え,その通信方式のBandは1, 3, 8, 18, 19, 28がauの基地局の電波と被っている.よってauのFDD-LTEはZenfone Goで使えるということなので,Zenfone GOにUQ mobileのSIMを挿すとデータ通信はできるということが分かった.自分の実機で試してみたが,確かにネットにはつながった.
 次に電話(3G)の電波方式を見てみる.すると「W-CDMA」みたいなのはあるけど「CDMA2000」の文字が仕様書に見当たらない...そう,Zenfone Goはauが提供している電話機能を使うことができないのです.これは実際挿してみても確認できます.

よって結論はこうなります.「Zenfone GOにUQ mobileのSIMを挿すと,データ通信はできるがいくら音声SIMをさしたところで電話はできない.」

日本における通話電波の事情.auだけ違うということの意味

詳しくはこちらのリンクに書いてあります.
http://www.tabroid.jp/news/2014/09/ohayougo0019-3g.html
要するに,au以外の会社の基地局は先ほどのZenfone Goの3Gの通信方式である「W-CDMA」を用いているのですが,auだけは3Gの通信方式が「CDMA2000」なのです.また京セラの機種で「KC-01」というのがあるのですが,それの通信方式をコールセンターに電話したところ「C2k」とおっしゃっていました.「k」が 1,000 のことだと理解すれば「CDMA2000 = C2k(シーツーケー)」ということですね.

KC-01 標準セット(京セラ) KC01SRV

どの端末,どの国でも,臨機応変に!!

ここまでの知識があれば2016年7月の時点ではSIMフリー端末とSIMカードを提供している会社をもとに使えるかどうかを判定することができます.もし時間がたって次世代の5Gが出来たとしても基本的考え方は電波の周波数帯と通信方式の二つを見ればよいはずです.というか,そういう規格になるはずです.2020年の東京オリンピックに向けて,日本はそれまでに5Gの導入を急ぐそうですね.

そして,これで「自分がドイツに留学した時に,端末と現地のSIMカードを見て,その組み合わせで望んだ通りに携帯が通信してくれるかを自力で判断する能力をつける」というカテゴリの目的は達成できたと思います.なので,ひとまずSIMフリーに関する記事はこれで最後にしようと思います.ドイツでも使えるSIMフリーの端末の話はドイツ留学のところに書きたいと思います.

長くてまとまりのない文章を長々とありがとうございました.

このブログについて

IAtLeX です.ブログをはじめてさほど時間がたっていないので,未熟な内容が多々あるかと思いますが,それも時間が解決してくれるはず...Python系の記事を着々と充実させていきたいです.投稿主についてはこちらを参照してください.

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