この記事では,IAtLeX がどのようにドイツ語の勉強をしているかを簡単に紹介してみようと思います.ちなみに筆者は日本人で母国語は日本語,初めて習った外国語は学校で習った英語である.
もちろん,その勉強方法は IAtLeX 自身には最適だと思っているやり方で,決して大多数の人が自分のような勉強方法で同じ効果が得られるわけではないです.個人によって外国語を習う動機なども違うため,最も効率的な勉強方法も変わってくるのは当たり前だと,筆者は考えます.この記事を読む際には,あくまでも「こういう勉強方法もあるよ」ということを紹介するだけの記事だと思っていただいて,これを参考に各自に最適な勉強方法を見つけていただければと思います.
ドイツ語を勉強するモチベーション
筆者の場合,ドイツ語の勉強を始めた理由は,読みたいドイツ語の原書があるからである.ちなみにだが,それらび本はハイデガーとかの実存主義の人たちや,ヴィトゲンシュタインやポパーなどのとかの論理実証主義の一連の流れを組むあたりの人たちの本だ.正直,後者の内容は英語だけでも十分カバーできると(勝手に)思ってる,むしろ英語じゃないといかんだろというのが冷静な判断どころなのだが,どうしても翻訳の過程で訳者の解釈が混じっているのではないかと疑ってしまう癖があるので,いっそのことドイツ語を勉強しようという寸法だ(ごり押し).
また,機会があればドイツにしばらくの間住んでみたいという贅沢な欲も,実はあったりする.
求める勉強方法
このようなモチベーションの下で,自分にとってどのようなドイツ語の勉強方法を求めているのかというを整理すると次のようになる.
- 日常的にできる
- 負担にならない
- アウトプットメイン
ブログを書いてる人が言える立場ではないが,「俺もそんな暇じゃない」.日中は仕事があるので,学生のような勉強時間の組み方は無理である.そのような状況でも,無理せず時間を確保できる方法があるのではないかと考えた.
上と内容は被るが,上は時間的な意味での負担であれば,これは勉強そのものが自分に負担にならないことだ.自分は飽き性なので,言語のように継続がモノを言うことは苦手である.これはドイツ語学習において致命的だ…しかし,何とか負担にさせずできないかと考えた.
英語の勉強をして思ったことで,お受験などは読めて聞き取れればよかった.つまり,インプットさえできればよかった.しかし,いざ金髪美女に話をかけようとすると,自分の英語ではどうも使いようにならない.英語圏に留学などいったことがなく予定もないので,自分一人で頑張ってみたものの,喋れて書けるようになるのにはだいぶ大変ということに気付いた.
おそらく,英語は読み聞き能力に偏った訓練しかしてないせいだと,自分で判断した.その判断が正しいのであれば,その反省を生かして,ドイツ語をやるときはアウトプットをメインでやってみようという,一つのチャレンジだ.それに,本当にドイツに住んでみたいならこれの優先順位は相当高い.
ドイツ語の勉強方法
上のような理想を可能な限り実現できる方法を自分なりに考えて行動してみたところ,結局は次のような勉強方法に収まった.
- とりあえず,生活に必要な文章をとりあえず聞いてしゃべれるようにする
- 文章で単語を覚えるような単語集の CD を,日本語を聞いてドイツ語でしゃべれるようにする
- 今までの文章を文字で書けるようにする
- 文章をひたすら聞き,単語を覚える
「単語や文法の勉強もせず,いきなり文法!?」と思うかもしれないが,自分にはこれが最初は一番大事だと考えている.
最初の段階では,”Guten tag!” とか “Wie geht es Ihnen?” とか ”Was sind Sie von Beruf?” とか超基礎的な会話構文をひたすら聞いてしゃべった.もちろん聞きながらなので,どこが単語の区切りであるとかも最初は全く知らない.そういうことは後で単語を覚える際に一つ一つ理解していくことにして,とりあえず簡単な会話構文を聞きまくりハッタリでもしゃべれるようにした.
これをやっていると,実はなんとなく単語と文法が分かってくる.「大体一緒の文章だけど,この部分がこう違うだけで意味がこう変わるから,この部分はこういう意味か」,「余計な言葉(いわゆる前置詞とか定冠詞)がたくさんついているけど,大体こんな順番で喋るのかな」のように,探り探りの発見的勉強法だ.
「こんな勉強方法,絶対効率が悪いだろ」という意見には自分にも納得できる一面もある.しかし,実際どうやってこの勉強をするのかを考えると,生活に必要な例文が入った音源をポータブル音楽プレイヤーに入れて,家事の最中や通勤などの移動中に聞くだけでよいのだ.もちろん,発音の勉強もかねて声を出して行うのが一番多いが,人が多いところでは最悪「あぁ,こういう意味の文章だったな」と思いながら聞き流すだけでもいいのだ.環境に大きく左右されないため,勉強にとっつきやすく継続をするのも無理がないという一面が魅力的だと考える.
集中して机に向かって勉強しているわけではないので,おそらく(勉強量/時間)は高くはないが,家事や通勤時間にやるのであれば時間が浮いたようなものだ.そこまで気張ってやる必要もないので,自分はこの段階に一か月半ほど費やした.今までの生活を続けたまま苦労せずドイツ語という世界を垣間見れたので,是非ほかの方にもお勧めしたい.
筆者がこの段階で用いた本は「ゼロから話せるドイツ語―会話中心(三修社)」である.
ゼロから話せるドイツ語―会話中心
これも基本リスニングとスピーキングがメインで,正確な発音が不安になるなら単語帳を実際開いてみる,といった具合の勉強方法だ.実践方法は先ほどのとあまり変わらないだろう.この段階は,新しい単語をしゃべれるようになることで楽しくなってくる時期であった.これを実践していると,簡単な文章もある程度読めるようになるので,少しドイツ語というものが分かった気になれる.
また,先ほどの段階で覚えたような日常で使う定型文だけでなく様々な平叙文や疑問文に出会うため,定型文で見てきた語順の考え方が少なからず揺るがされる.特に日本人の私にとってドイツ語の格変化や性別による変化は厄介である.聞いてると ein だったり einem だったり eine だったりで,下手にルールを見出そうとすると嫌になってくる.そこらへんが気になって仕方がないときは,そこで初めて「文法」というものを勉強した.筆者は人称変化は文法を見ずとも覚えていた定型文でなんとなくわかっていたが,ein なのか eine なのかを正確に判断したいため,文法の本を数回見た.その本についてはこの記事の一番下に書いてある.実際はじっくり見たわけではなく,「へぇー,文法的にはそういう仕組みになっているんだ」程度で読んだぐらいだ.
まぁ,何やかんやで,文法らしきものがこの段階で「なんとなーく」わかってくる.理性というよりは直感でわかる感じである.そんなんじゃ正しく使えないからダメだといわれるかもしれないが,最初から完璧にしゃべれる必要はないと考えているので,とりあえず CD の例文の猿真似を頑張って行った.初心者なんだし,「ある程度」通じれば十分ではないかと思っている.もし,体系的にドイツ語を勉強したいのであれば,この方法は合わないので真似しない方がいいのではないかと思う.
この段階は筆者もずっと継続中であり,机に向かわずとも楽に勉強できるのでこの先もやめる気配はない.この段階を続けることで割と実用的な外国語が身につくのではないか,と考えている.
筆者はこの段階で「独検対策4級・3級必須単語集」を用いた.
新 独検対策4級・3級必須単語集《CD2枚付》
ちなみに,「最効率! 例文で覚えるドイツ語単語」もなかなか評判がいいので,こちらでもよいと思う.
最効率! 例文で覚えるドイツ語単語
筆者は,どちらを買うか中身まで見て悩むに悩んで,結局はコイントスで決めた.
ここで初めて筆記具をもって勉強することになる.この段階は,今まで口に刻み込んできたものを頭にも刻み込むイメージだ.この段階で文字に接することで,ライティングの練習だけでなくリーディング能力も一緒に培われるはずだ.
この段階は一通りリスニングしているものを口が覚えたと思ったら,時間を作って机に向かって行っている.机に向かわなければならないことが難点だが,実際一度聞いて理解していることなので「簡単簡単~♪」と気楽に勉強できる.
教材は,今までリスニングをしていたものを用いればよい.
自分の場合,ここまでの段階で「辞書さへあれば,ドイツ語の文章は大体読める」というレベルにはなっていた.後は,文章を聞きながら単語を覚え,文章全体をシャドーイングすることで「慣れる」ことが大事だと考えている.聞いて意味が分かる程度になれば,書き取りを実施することでより定着力が増すと思う.これももちろん,なるべく机に向かう時間を減らすべく,聞くこととシャドーイングをメインとしている.
筆者は今この段階で試行錯誤をしていて,「耳が喜ぶドイツ語 リスニング体得トレーニング」がいいと思い,聞き進めていっている.
CD2枚付 耳が喜ぶドイツ語 リスニング体得トレーニング
自分に余計なプレッシャーを与えないように勉強すれば,苦にならない
以上が,筆者が実践しているドイツ語の勉強方法である.完璧にサボりながら習得しようとしているのが目に見えるだろう(努力の方向が違うだけでは?というツッコミが聞こえてくる気もする).
文法をまったく体系的に勉強していないが,ドイツ語は語順がかなり自由になっているので,そういう意味ではこのような勉強法でも対応できるのではないかと考えている.そのためか,英語の時ほど文法を勉強する必要を感じない.というよりは,もし英語を学校の授業でやってなかったら,英語の文法も自分は勉強しなかったかもしれない.念のため,先ほど,「気になって仕方ないなら,文法をみる」と書いたが,その時に見ている本は「本気で学ぶドイツ語」という本である.
本気で学ぶドイツ語(CD BOOK)
語学の学習で大事なことは,毎日やることである.そのためには,サボってでも勉強できるようにするのも悪くないことだと思う.