最効率! 例文で覚えるドイツ語単語 – 感想


最効率! 例文で覚えるドイツ語単語

こちらの本を一通り勉強したので,勉強した方法や効果などを紹介したいと思います.

なお,筆者はドイツ語検定に重点を置かず「ドイツ語を段階的に勉強したい」ということをメインに本を読み進めております.ドイツ語検定の試験対策などについては全く疎いのですが,その部分は理解していただきたいです.







学習前の学習状態

参考のために大雑把にまとめると次のようになります.番号は勉強した順番です.

  1. 「ゼロから話せるドイツ語」
  2. 「独検 3・4 級必須単語集」
  3. 「本気で学ぶドイツ語」(詳しく見たわけでなく,流し読みした程度)
  4. 「耳が喜ぶドイツ語」のSTEP1まで

それぞれについての学習状況は次の投稿の最初のところで簡単に説明してあるので,そちらを参考にしてください.

耳が喜ぶドイツ語 – STEP1 感想

本について

難易度別の7章(Kapitel)構成

  1. Kapitel 1 : 5級中心
  2. Kapitel 2-4 : 4級中心
  3. Kapitel 5-6 : 3級中心
  4. Kapitel 7 : 2級中心

という構成のようです.ドイツ語検定については本屋さんで問題集を立ち読みした程度なので何とも言えないのですが,その時の体験からすると,難易度設定は妥当だろうと思います.ただ,私個人としては Kapitel4 あたりから少し難し感じました.ドイツ語検定に詳しくないため,級に対しての自分の感想は8割引きで読んでいただければと思います.

音声CDは,ネイティブからしたら平常運転

初めてCDを聞いたときは「ちょっと早い」と感じました.初心者にとっては早めの音声でしょう.リスニングが苦手な方は,これを勉強する前に他の簡単な書籍を挟んでみるのもよいかと思います.

例文の内容:割とリアル

例文で覚えると書いてありますが,内容は会話文です.会話文ゆえの口語の言い回し(ja, denn, shon,心態詞というようです)などが適度に混じっている例文になっていて,現地のドイツ語に触れている錯覚(?)に浸れました.会話の内容は家庭内,お店,大学,職場など,様々な状況が想定されていて,個性的な例文もたまに見受けられます.それとなーく「ドイツ文化ってこんなのなんだ」と感じさせてくれる例文もあって楽しかったです.実際にそういう会話をするのかどうかは現地に行ってみないとわからないので,正直自分の口からああだこうだ言えないのですが...

後半に行くほどボキャブラリーのレベルが上がっていくので,例文も面白く感じました.

最後まで読み終えて心態詞に慣れたと思ったら,付録に「ドイツ語の心態詞」として4ページほどにまとまっていました.個人的には,こちらの心態詞一覧を先に見て先入観をもつよりは,例文からなんとなくニュアンスをつかみ取って慣れた方がいいのではないかと思います(自分がそうだったというだけです).ただ,いまだにnochのニュアンスがいまいちピンとこないんですよね...

筆者の学習方法

STEP1:本を見ずに,CDを聞く

筆者の目標に「喋れるドイツ語」というのがあるので,活字に重点を置きすぎずに勉強したいと考えていました.さらに「サボりながら学びたい」というのもあったので,まずはポータブルオーディオプレイヤー(ウォークマンとかiPodとかスマホとか)に音源を入れて例文を聞くことに徹しました.

具体的には,「一つの会話を何度も再生させてどこまでわかって,どこが忘れていた部分で,どこがわからない部分かを自分の中ではっきりさせてしっかりメモを取る」ということをしました.これはちょっとした空き時間さえあればできるので,電車での移動中によくやっていました.

STEP2:本を開いて,メモした部分をチェック

メモがある程度溜まったら,本を開いてドイツ語の会話文をまずは見ました(なるべくに日本語訳を見ない).「本当に知らなかった単語なのか」,「聞き取れなかっただけなのか」をチェックしました.わからなかった単語は下の見出しでちゃんとチェックしてメモに加えて,聞き取れなかった単語については発音を Linguee で聞くなどとしてしっかり発音できるようにしました.Linguee はネット辞書のことですが,詳しいことについては次の投稿に書いたので,気になる方は参考にしていただければと思います.

ドイツ語学習に役立つ無料サイト

次のロゴ画像をクリックすると Linguee のページに飛びます.
linguee

STEP3:復習(清書)

上の調子で1章(ein Kapitel)が終わったら,メモしておいた「わからなかった知識リスト」をA6のノートにまとめていきます.このノートは自分にとっての最高の単語帳になります.A6 で小さいため,携帯して時間の空いた時いつでも復習できるようにします.さらに,メモを清書する段階でその章の復習にもなっているので,一回習った内容が定着しやすかったです(あくまでも筆者個人の見解です).

筆者はこの3段階の勉強法で,3か月で一周しできました.ちょっとかかりすぎだと思いますが,机に向かってガリガリ勉強しているわけではないので,妥当な学習時間ではないかと自分勝手に合理化しました考えます.いや,どう考えても遅いだろ.割としっかり一周したつもりでしたが,正直この本を十分に理解したとは思っておりません.新しく習った定着もしていないですし,まだまだ目の付け所が残ているの感じているので,この後もう一周してから次の単語帳に進もうかなと思ています.

Kapitel(章)ごとの感想

Kapitel 1-3

筆者の学習状況からして,最初はそこまで難易度の高い単語が連発するわけではなかったです.振り返ると「忘れていた単語を再確認する」,「発音が似ていてこんがらがっていた単語を整理する」がメインでしたね.

単語自体はそこまで難易度が高いものでないものの,この本の録音CDは今まで聞いていたものよりは少し早く感じたため,初めて聞いたとき分かっている単語でも聞き取れないときがありました.Kapitel 2 までは耳がなかなかなれなかったが,Kapitel 3 が終わったころには慣れていました.

Kapitel 4-5

Kapitel 4 からがこの本を勉強するにあたって一つの山場だったと感じています.それまではある程度知っている単語が出てきていたのですが,ここからは知らない単語もしょっちゅう出てきました.さらに 1 Kapitel あたりの例文も増えて,結果として今までのようにサクサク進まなくなったので,「山場」と表現させていただきました.

Kapitel 6-7

Kapitel 4-5 を山場と感じていたせいか,ここをやるときには自分なりの勉強法が確立していたので,そこまで難しく感じなかった.それまでの勉強方法で着実にこなしていくだけだったので,すんなり頭に入っていきました.例文も面白かったですしね.

難易度:初球から中級へのステップアップ

初心者から一段階レベルアップしたいときに,この本はいいのではないかと思います(何度も書いていますが,ドイツ語検定を念頭に置いて学習しているわけではないので,あまり級の設定を気にせずに読みました).単語やイディオムごとに「何級」というラベルを付けてくれているが,3級レベルでも割と難しそうな単語もあったので,「3級だから,知ってて当たり前!」と思わなくてもよいかと思います.

「耳が喜ぶドイツ語-SETP1」がこの本を読み始めたときの語彙力の基準でしたが,Kapitel 4 あたりから「知らねーよ」となる単語が多くなってましたね.自分の A6 ノートを振り返ると,Kapitel 4 アタリからページ数が増え始めていたので...

いい単語帳だが,初めてのドイツ語の単語帳がこれであるのは少し厳しいのではないのでしょうか.例文にある単語ても,初心者が知っていると著者が判断した単語にはもちろん単語の見出しに書いていません.筆者の場合「独検4級・3級必須単語集」をやったおかげで比較的すんなり(?)進んだのではないかと思います.

改善点

「改善点」とか言って婉曲してるけど,要はディするんだろ.じっくり読んで勉強させてもらったのに文句を書くとは...図々しいにもほどがあるだろ.

単語の説明が少ない

筆者が初めての外国語として英語を学ぶ際に感じたこととして,「一つの単語を学ぶにおいてもいろいろ学ぶことがある」ということがあります.簡単な例としては「”pre-“って始まる単語は,『前』をイメージすればいい」とか.「単語の語源」を考え始めると,一つの単語にしておいろいろ楽しむことができます.丸暗記でもいいのだが,一つの単語に向き合って考えておくと,その時の自分の勝手な妄想が頭に残るため,定着しやすいという(個人的な)効果があります.

そういう意味で,この単語帳ではそのような説明が詳しくないのは少し残念でした.まぁ,それをいちいち説明している本の方が珍しいんですけどね...せめて,ヒントでも書いてくれると後で自分で調べて「そうだったのかー」と納得できたので,もっと良い単語帳になったのではと思います.全くないわけではないですがたまーに書いてくれてるだけだったので残念です.

とはいっても,本の出版なんだからいろいろ事情があって今の本になっているので,この要求はヤボですかね...

発音記号がない

私はなんでこうなったのか想像ができないのですが,単語の発音記号が書いてありません.ネイティブの速さでCDが録音されているので,後半に進むと「文字通りの発音じゃないと」思ってしまう単語が出てきました(もちろん筆者のリスニング力が低いだけ).音で単語を覚えようとする筆者にとって発音記号が書いていないのは,いちいち Linguee で正しい発音を聞く必要があったため,ひと手間でした.

とはいっても,「文字に書いた発音よりも,ネイティブが喋る発音がホンモノだ!」と考えることもできるので,そういう意味では「ドイツ人のドイツ語」というのを突き付けてくれたととらえることもできます.「クリーンな外国語」ばかりもよくないことはわかっていましたが,改めて再認識させてくれました.

話がそれてしまいましたが,とにかく,発音記号はありません.リスニングをしても発音が曖昧な単語はしっかり調べるようにすれば問題ないのですが,単語帳としては少し残念です.


最効率! 例文で覚えるドイツ語単語

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