Arch Linux を使おうと思ったきっかけ
筆者は,メインマシンには Windows を 10 年以上使ってきていたが,自分が新しい機能を追加したいときや ssh による遠隔操作,その他もろもろの理由により Unix/Linux 系に OS を変えてみようかと思った.Mac 使いたかったけどお金かかりすぎるし,なにより,名の知れたブランド品はあまり好きでない(Mac をブランド品と思っている時点で,いかに貧乏な思考を持っているかが…).ということで,最初はユーザーフレンドリーであろう Ubuntu を 3 年ほど使っていた.
しかし,Linux の勉強を進めカスタマイズや開発を続ける内に,次のような考えを持つようになった.
- Linux 一般の勉強をしたので,どうせなら Ubuntu 限定の仕様でなくどんな Linux で使えるように開発したい.
- 使ってる機能のほとんどが,Ubuntu の機能というより Linux の機能しか使ってないし,Ubuntu じゃなくてもよくない?
- Linux の開発をしているのに,依存関係などの Ubuntu 特有の事情が開発をややこしくしてるじゃん.
このように,気づかぬうちに環境のせいで Linuxman になってしまっている… ということなので,何か他の Linux ディストリビューションを探していた.そこで,ややこしい機能のなく,Linux のコアの機能だけをそろえる方法はないかと考えた.その結果として Arch Linux に変えようと決心することになった.
インストールについて
インストールについては公式 wiki のビギナーズガイドに載っています.他の方の個人ブログなどにもインストール方法があったりもするので,今更自分が書くこともなくそちらを参考にすれば良いのではないかと思います.ただ,参考するログが多いと参考になると思うので,そのうち自分がインストールしたときのログも上げてみたいと思います.
インストールに関して一言だけ書いておきたいことがあります.筆者は最初インストールするときは公式 wiki でなくもっぱら個人ブログの真似をして入れていました.しかしそこで気づいたことは,初めて Arch Linux をインストールする際には「必ず」公式 wiki の通りしましょう.自分も試行錯誤したものの,結局は公式 wiki の通り入れることで初めてArch Linux を成功してインストールすることができました.
今まで Ubuntu や Windows などのインストールに慣れてしまった筆者のような人は,初めての Arch Linux のインストールが途方もなく面倒で細かい設定をしていることに混乱してしまいます.公式 wiki のビギナーズガイドはそのような混乱をさせないための最小限の説明を加えながら書かれているため,コマンドの要点だけを並べてある個人ブログよりお勧めします.後に基本的な操作などに慣れてきたら,個人ブログのインストール方法などを読んで「なるほど!」と理解し,徐々に知識を肉付けしていくのが良いのではないかと,個人的に思います.
また,公式 wiki のビギナーズガイドを読む際に,上から順に読みながらインストールするのでなく,必ず一度全部目を通しておくことをお勧めします.赤いボックスになっている警告の部分は,最初は無視してもいいじゃんと思うときもありますが,無視してしまうと依存関係などがややこしいことになり後になり問題が起きる可能性大です.筆者も初めてのインストールの時は何回最初から再始動したことか… 特に,wifi の設定の部分の警告は必ず読んでおきましょう.
Arch Linux に変えたメリット
- Linux に詳しくなる
- コンピュータ(ハード)そのものに詳しくなる
- 操作が非常に軽い
- パソコン操作に対する(根拠のない)自信がつく
Arch Linux を使いこなすためには,Linux の仕組みをしっかり理解している必要がある.そうしないと,Arch Linux に変えた意味がなくなってしまう.ということで,理解しないと自分勝手にカスタマイズできないため,否が応でも Linux に詳しくなる.
開発上,コンピューターの仕組みそのものに詳しくなる機会はが多々あったというのが使ってみた感想だ.わかる人しか通じない言い方になってしまうが,C言語でポインタを勉強しているとメモリの知識に詳しくなる感覚に似ている.Arch Linux の場合はメモリや CPU など様々なハードの条件によって設定が変わる可能性があるのでコンピューター全体に詳しくなるということだ.
必要なものだけを入れるため,Linux の基本機能以外の余計な機能を動かさないで済む.
筆者は7年前の使わなくなったノートパソコンに入れたのだが,通常作業をするにおいては何のラグもなく動く.
Linux の根本に問題がない限り,Arch Linux マシンで問題が起こる場合は自分がインストールしたり設定した内容に原因があることがほとんどである.なので,個人レベルでのトラブルが起こった時は自分で対応するほかにはない(似たような問題をほかの方がネットに載せてくれている場合もある).しかし,それは自分が勉強するチャンスだと思って対応していくことこそ,Arch Linux に変えたことで得られるワクワク感ではないのか.それを乗り越えていくことで,コンピューターで困ったことがあった時でも自分でも対応できるという自信がつく.さらには,設定をしっかりメモしておけば再インストールは軽々とできるので,ハードじゃなければ壊れてもいいやという気分でアブナイ設定を自己責任でするなどのチャレンジ精神もつく.
使っていくうちに様々なメリットが見つかると思うが,Linux 初心者の自分が使い始めて半年ほどで感じた Arch Linux にしたメリットはこんな感じです.
最後に雑記
この文章が,これから Arch Linux を入れようとしているチャレンジャーの方の背中を少しでも押してあげれたなら幸いです.インストールについては何も書いていないですが,まずは次の動画を一通りご覧になることをお勧めします.それぞれの操作が大体どのようなことをしているのかを解説しながらインストr-るの様子を見せてくれています.2015年4月に,次のような Kindle 本が販売されたようです.
Arch Linux – Fast and Light! (English Edition)
Kindle 本なので,おそらく個人で作成した本ですね.ページ数も 47 ページと極めてコンパクトですし値段もドリンク代程度.興味がありましたら購入してみるのもよいかもしれません.しかし,アメリカ Amazon の方でのコメントを見た限りだとこの書籍は Arch Linux の使い方について書いてあるようなので,「Linux の勉強に Arch にしました」という人には向いていない.むしろオイラリーから出ている Linux の本などを手元にいろいろいじってみるほうが勉強になると考えている.
詳解 Linuxカーネル 第3版