独検4級・3級必須単語集 – 感想


新 独検対策4級・3級必須単語集《CD2枚付》

半年ほど前にこの本を一通り勉強したのですが,こちらの単語帳の購入を検討している方や,勉強方法がいまいちつかめない方のための参考になればと思い,簡単にレビューを書きたいと思います.当時のメモを参考に書いているので,時間が少し経っていても的外れな主張ではないかと思います.

なお,筆者はドイツ語検定に重点を置かず「ドイツ語を段階的に勉強したい」ということをメインに本を読み進めております.ドイツ語検定の試験対策などについては全く疎いのですが,その部分は理解していただきたいです.







学習前の学習状況

この単語帳をみる前までは,ドイツ語を勉強したとはいっても次の本しか見ていませんでした.

ゼロから話せるドイツ語―会話中心

こちらの本を学習する際は「CDで聞いたフレーズを意味が分からなくてもとりあえず喋れるようにして,後でその文章の意味を覚える」ということをしました.なので,この段階では特に単語の意味というものについては意識していませんでした.いくら意識していなかったとはいえ,例文の意味を覚えている時点でなんとなく単語についての知識も入ってきているのは事実です.「イッヒ」が自分のことで,「シュパイザカーテ」ってのがメニューのことだといったように,例文からなんとなく分離はできていました.

この本のダイアログの章が終わって,そろそろ完璧に喋れるようになった時にはもう大体フレーズを覚えたので,もっといろんなことを表現できるようになりたい理由でボキャブラリを増やそうと思い,単語帳を購入するに至りました.

なんでこの本にしたかというと,初心者が一番とっつきやすかったからでしょう.最初の例文は「君は何を飲む? – 私はビールを飲みます.」で,その次の例文は「私はお肉が好きです.」といった具合に,とても簡単な例文から始めてくれているので,はじめてのドイツ語単語帳としてはよいのではと思い購入しました.

他にも理由はあるのですが,そちらについては前に書いた次の投稿を参考にしていただきたいです.

ドイツ語の勉強方法

本について

改訂による音声CDのアップグレード

筆者はひとつ前の改訂される前のを使ってましたが,改訂版を確認したところ例文の違いはほぼなく,音声CDの方に大きな変化が見られました.改訂前のCDは,日本語で例文番号が流れた後に例文のドイツ語が流れる,ごく普通のタイプでしたが,改訂後のCDは例文が「ドイツ語,日本語訳,ドイツ語」の順番で流れるようになっています.

筆者の購入当時にどちらかのCDのタイプを選べるのであったなら,確実に改訂後(今発売されている方)を選んだでしょう.後者のCDは,手元に本がなくても音だけで単語の学習ができるので,移動中の学習に最適ですね.

「4級」と「3級」の二部構成

120程の例文から成る4級部と,150程の例文からなる3級部から構成されている,二部構成になっています.

20例文ごとの小テスト

どちらの章にも20例文ほど進むと,その20例文で習った例文の小テストがあります.例文そのまんまの独訳問題だったり,例から一部の単語を入れ替えた文章の並び替え問題があります.「今週はこのテストを8割とれるようにする」などの使い方をすることで,読み進めていく際のマイルストーンになります.

この20例文の区切りを,この投稿では「セット」と呼ばせていただきます.

初めてのドイツ語の学習の方にオススメ

例文が徐々に複雑な構文をとるようになっているので,読み進めやすかったです.級を意識して書いているためこのようになっているのかと思います.文法についての知識がないような自分でもドイツ語の文章の形を何となく理解するのにも助かりました.文法を詳しくわならなくてもオッケー.初めての単語帳としてピッタシでした.

筆者の学習方法

振り返ると,この勉強法は改訂前のCDであるからこそできたものですので,改訂版では少し違ったやり方が必要でしょう.しかし,その際の参考までに筆者の勉強法を紹介したいと思います.

STEP1:本を見ずに,CDをシャドーイング

いくつかの例文を除くと,この単語帳に乗っている例文は文章の構造はそこまで複雑なものではないですし,前半に至っては当時の自分でも簡単だと思えるほどでした.なので,まずは「例文をCDで聞いてシャドーイング」を何度も繰り返しました.例文の詳しい意味が分からなくともとりあえず喋れるようにしました.

このときに聞き取れない部分,つまり初めて学ぶ単語の発音をまず最初に習うことになります.発音を理解したら,どのようなスペルであるか想像してメモしておきます.

この段階は,CD音声に日本語が入っていないためできた技ですね.もし改訂版の方を手に入れていたのであれば,このSTEP1と次のSTEP2を一緒に行っていたでしょう.

STEP2:本を開いて例文の意味を見る

例文が口からスルスル出るようになったら,やっと本を開いて意味を見ます.この時点で,例文が喋れるようになり,かつ単語も定着します.先ほどの段階でスペルをメモしておいたのも,この段階で正しいかチェックします.

この STEP2 までを,1セット,つまり小テストの手前まで行います.

STEP3:ディクテーション

1セットの中の9割程度の文章がしゃべれるようになり単語も覚えたと判断したら,そのセットのディクテーションを行います.音声を流してそれの書き取りです.覚え間違いがないか確認しながら,習った単語の定着を図ります.

STEP4:日本語からドイツ語ができるように

STEP1 でペラペラと喋れるようにはなっているので,ここまでくれば日本語からドイツ語に訳するのは簡単にできるはずです.アウトプットの練習段階です.

「外国語ができるとは,その外国語の意味が分かるだけでなく,自分で積極的に使えるようになること」という持論があるので,私はこのステップをとても大事であると捉えています.しかし,人によってはこのステップは飛ばしても全く問題くないでしょう.

STEP5:小テストを解く

これほどまで1セットを徹底して行っていれば,セットの終わりにある小テストの問題は簡単に解けるかと思います.筆者は上の勉強法で勉強した結果,小テストは一周目でもほぼ間違えずに答えられました.主な間違えは名詞の性でしたね.

STEP6:A6 ノートの作成

1セットを進めるうえで,わからなかった単語,イディオム,言い回しなどがノートに書かれているかと思います.とにかくなんでもいいので新しく学んだことを A6 ノートにメモしました.ノートの左ページには学んだ内容を思い出せるようなヒント,右ページにはその学んだ内容を書きました.単純な例では,左ページにドイツ語の単語,右ページに日本語訳を書く,といった感じです.

こうして作成された A6 ノートは,作成過程でよい復習になってますし,移動中の学習にも使うことができます.自分にとっての最高のノートですね.

ちなみに筆者はこの単語帳ではもう一冊 A6 ノートを作り,左のページに例文の日本語訳,右のページにそのドイツ語を書きました.独訳の練習に使おうと思い,STEP4 の段階で作成しました.

感想

「本当に初めてのドイツ語単語帳」として満点

筆者にとって初めてのドイツ語単語帳でしたが,読み終えた今ほかの単語帳をいろいろ見てみても「最初はこの本でよかった」と思っております.ということで,初めてドイツ語単語帳を購入している人に是非お勧めしたいです.ドイツ語検定の5級からやりたい人も,最初だけ見れば十分ではないかと思います.

おそらく「徐々に複雑になってくる文型」という特徴のおかげで,うまく実力がステップアップできたのではないかと思っています.

丁寧な説明がよかった

単語の説明の下に「メモ」として基本的な文法事項やニュアンス,詳しい使い方など書いてある場合があるのですが,これがとてもためになりました.一周目は「へぇー」ぐらいで見過ごしたものが,二周目だと「そうなんだ!!」となるようなこともありました.この丁寧な「メモ」のおかげか,筆者は読み飽きることはなかったです.

全部覚えようとしようとすると大変

関連単語が書かれていたり,単語についての説明などが詳しく書いているが故に,1セットの勉強をする際にその内容を全部覚えようとするとかなり大変な作業になるかと思います.一周目は見出し語だけをしっかり把握するだけでも十分でしょう.二周目には細かい内容も目に入ってくるようになり,一周目とは違った面白さがありますよ!!

小テストがモチベーション維持にもってこい

筆者の勉強法はあくまでも一例ですが,この小テストはうまく使ってあげれば,この本を読み進めるうえでのよいペースメーカーになってくれます.

難易度:初学者,初心者向け

初心者,初学者向けとして妥当でしょう.参考までに,筆者は初めて一周する際には2か月かかりました.二周目見たときはかなり簡単に感じたので,中級に足を踏み入れた方には退屈する内容でしょう.

改善点

「改善点」とか上からモノを言っちゃってるけど,「贅沢できるなら,こうしてほしい」というただの願望です.

日本語からドイツ語の音声がほしかった

改訂版では「ドイツ語,日本語,ドイツ語」の順番で録音されているようだが,「日本語,ドイツ語」が欲しかったです.そうなれば STEP4 での独訳練習に訳立てたので,個人的にはぜひ欲しかった録音順が「日本語,ドイツ語」なのです.「ドイツ語,日本語,ドイツ語」ですと独訳練習には少し使いづらいですね.例文を何度も学習しているうちにドイツ語を聞いて日本語は簡単にできてしまうが,逆にドイツ語をしゃべるということは楽ではないし,相当よいトレーニングになると考えているので,「日本語,ドイツ語」の録音は是非入れて欲しかったです.

問題をもう少しひねってもよいかと

小テストですが,例文そのまんまの独訳問題だったり,例から一部の単語を入れ替えた文章の並び替え問題などから成っています.「もう少しひねった内容のテストだとやりがいがあったのになー」と思ったりします.

とはいっても少し考えてみると,初心者に配慮して小テストもこのように簡単にして自信をつけてくれようとしたとも考えられるので,音声に対する「改善してほしい欲」ほど「変わったらいいなー」とは思っていないのも事実です.

総合:初めてのドイツ語の学習の方にオススメ

何度も書いていますが,締めくくりとしてこの単語帳を一言で表現するなら「ドイツ語初心者の方は,読んで損なし,買って損なし」でしょう.自分が初めて手に取ったからいいと言っているだけかもしれないので,実際の購入の際にはよく吟味してくださいね.

長々と書いてしまいました.最後まで読んでいただきありがとうございます.


新 独検対策4級・3級必須単語集《CD2枚付》

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