ドイツ語のスピーキングの勉強をどうにかしたい

ドイツ語を学び始めて少し経ったとき次のような投稿を書いた.

ドイツ語の勉強法 – Log

今振り返っても,これ書いたときは「ドイツ語こそアウトプットメインで習いたい!!」という意気込みが感じられる.

時は過ぎ...

今自分の状況を振り返ってみるとまぁ不思議,ここ数ヶ月の自分の勉強法ってインプットメインじゃないですか.これはいかん.ということでここで自らブレーキをかけて,内省していこうと思う.気づいている人もいるかと思うが,内省なので,ですます調では書かずにいく.「内省なら,チラシの裏でやってろ」って意見,ごもっともです.でも,今の世の中こんなに人が多いんだから,こうやって書いておけば誰かしらの参考にはなるんじゃないかな.

タイトルには「ドイツ語のスピーキングの勉強をどうにかしたい」と書いているものの,「インプットに学習が偏ってしまったとき,その理由を考えて,いかにアウトプットもやりバランスよい方法にもっていくかを,自分の場合で検証してみた」がよりしっくりかもしれない.投稿を書き終えて振り返っても自分用のメモだった.

もし,タイトルの「ドイツ語のスピーキングの勉強をどうにかしたい」という悩みをもってこの投稿に来てくれた方は,ここで得られるスピーキングの知識は次に尽きるので,悪しからず.

筆者はインプットがつい多くなりアウトプット(ライティングとスピーキング)が弱い.とくにスピーキングを何とかしたい.今のところ解決策は3つ考えていて,2つは本,残りの1つはスマホのアプリでタンデムをしてみることだ.







今までの勉強法の反省点

なぜアウトプットメインを意識していたのに,いつの間にインプットになってしまったのかについて反省.

内容が簡単なうちは,アウトプットもしっかりできていた

ドイツ語学習の一番最初は「ゼロから話せるドイツ語」を買って勉強していた.

新 独検対策4級・3級必須単語集《CD2枚付》

これを学んでいた段階までは,そこまで難しい例文はなかった.難しい例文ではないというより,「外国語を使う前提で習っているのに,これが喋れずにどうする」レベルの例文だったといった方がより正確だろう.このときは口でがむしゃらに覚えていた.この段階ではリスニング,リーディング,スピーキング,ライティングの中でスピーキングの実力が一番あったのは確かだ.しいて評価するなら

スピーキング ≈ リスニング < リーディング ≈ ライティング の順で実力があった.定量的な話は抜きにして,大まかにはインプットとアウトプットのバランスが取れていた.まだ悪くない.本を読み終えた当時も,「ゼロから話せるドイツ語」のにあるダイアログはスラスラと喋れたし,今でもとっさに喋ることができる. その次には語彙力を上げるために「独検4級・3級必須単語集」を勉強した.
ゼロから話せるドイツ語―会話中心

その時の勉強法はこちらに書いた.
独検4級・3級必須単語集 – 感想

この時点でもインプットとアウトプットのバランスはとれていた.A6のノートにドイツ語の例文を日本語に直しておいて,時間があるときに開いて「ノートの日本語を見て,そのドイツ語を喋る」ということをやっていたので,新しく単語を覚える(インプット)だけでなく,喋る(アウトプット)力もついていたはずだ.この時点で定型文的な言い方を何個か覚えれたので,その言い方と語彙力を合わせることで,いくつかの簡単な文章は喋れるようになっていた.ただし,単語を置き換えた際にeinとかderとかの形(定冠詞とか不定冠詞と言うんですね)がどうなるかっていうのは正確には把握できていなかった.単語帳に男性女性中性が書いてあったので単語ごとになんとなくイメージで覚えたものの,その変化まではよくわからなかった.具体的には「英語で『誰々の』っていうとき”s”がついたけど,どうやらドイツ語も同じようで,男性名詞はdesとかになるようだ」ぐらい.

いずれにしろ喋ることでスピーキングの力はついていたし,ディクテーションも行っていたのでライティングの実力もついていたはず.そして,例文とその意味を覚えていたという点では,文法らしきものが自分の中に模(かたど)られていった時期だ.文の意味を理解していたという意味では,リーディング力もついていたはずだ.

こうなると,この時点での実力は

スピーキング ≈ リスニング ≈ ライティング ≈ リーディング

だったかと思う.うん.ここまではまだ非常にバランスが取れているし,しかも勉強はじめだったということもあってのめり込んでいた.ドイツ語でレストランへ行った夢も見たぐらいだった(ほぼ,覚えていた例文通りの会話をしただけなので大したことはない.夢の中での受け答えも,例文の単語をチョチョイといじった程度).

「分かる喜び」を知ってしまってから,インプットに偏った

その次に「耳が喜ぶドイツ語 – STEP1」を勉強したのだが,ここから少しずつ反省点が見受けられる.


CD2枚付 耳が喜ぶドイツ語 リスニング体得トレーニング

その時の勉強法などを次の投稿でまとめた.

耳が喜ぶドイツ語 – STEP1 感想

振り返ると,ここからアウトプットの割合が減ってしまった.いや,減らさないようにはしたのだが,アウトプットの方法が間違っていたという方が正しいだろう.

ディクテーションでライティング力がつくと勘違いしていた

ディクテーションを行ったので,リスニング力はもちろん伸びた.ディクテーションで書き取りをしたのでライティング力が伸びたといいたいところだが,自分で文を構成するというよりは聞こえてくるものを書くだけなので,これではライティング力は伸びていない.ここからアウトプットとインプットのバランスが崩れ始める音がする.リスニング能力(インプット)だけぐんぐん伸び,ライティング能力(アウトプット)は使わないので衰える一方だ.

...んっ,待てよ? そうなると,「独検4級・3級必須単語集」のときにやっていたディクテーションもライティング力はついていなかったということになるが...いや,違う.このときは日本語の文章をドイツ語にするという作業をしていたので,ライティングとスピーキングの能力がついたのか.そう考えると,ディクテーションはライティング力には影響してこない.「独検4級・3級必須単語集」でライティング力がついてのは,日本語からドイツ語にする作業をしたからであって,ディクテーションを行ったからではなかったのか.

「耳が喜ぶドイツ語」の勉強の際には,日本語訳をほとんど見ていない.完全にドイツ語だけの世界だ.これは自分で望んでいたことではあるが,「頭の中のイメージから,言葉としてのドイツ語へ」という変換を行っていなかったので,ドイツ語のアウトプット力が伸びていなかったと,今になって思う.「独検4級・3級必須単語集」を使っていた時は「言葉としての日本語から,イメージを経由して,言葉としてのドイツ語へ」ということをやっていたから確かにアウトプット力が伸びたが,今回は日本語を見ていななかったためこのようなことはできない.つまり,日本語のスクリプトを見ない限りは「タイトルだけ見てどんな文章があったかイメージして,それをドイツ語にする」という無茶なことをしなければライティング力はつかない.

なんでこんな当たり前のことにすぐ気づかなかったのか,自分に嫌気がさす.

シャドーイングはやってよかった

先ほど書いたように,ディクテーションについては反省点がたくさんある.しかし,シャドーイングを行ったことがスピーキング能力の向上になっているのは,明らかに実感している.いくつかの定型文が音として頭に残っているので,喋るときにすぐ引き出せるようになったのは十分な効果ではないかと思う(in der Regel とかよく使いそう).また,音として記憶している定型文は語順も間違っていないので,自然と文法力(って言っていいのかわからないけど)もついた.

いずれにせよ,「ディクテーションがアウトプットのいいトレーニングになった」というのは否定できるものの,シャドーイングに関してはやって正解だったと思う.

インプットが多くなると,だんだん分かるようになり,楽しくなってくる

「耳が喜ぶドイツ語 – STEP1」をやり始めてから,「独検4級・3級必須単語集」では見られない言い回しなどを勉強するようになり,さらにはドイツの文化を知ることにもなった.この段階の勉強は今まで知らなかったことをたくさん知ることができるので,とても楽しい時期だった.たくさん知るとは,たくさんインプットしていたということだ.

この楽しさに気を取らてしまい,「ドイツ語はアウトプットを意識して学習する」ということが頭からなくなりがちだった.「なくなりがち」と書いたのは,決してなくしていたわけではなく「独検4級・3級必須単語集」のノートを見ながらドイツ語に訳する復習は継続して行っていたからだ.しかし「耳が喜ぶドイツ語 – STEP1」をやっている最中は,シャドーイング中を除き,アウトプットを意識していなかったのは事実だ.

もし昔の自分(そしてこれからの自分)にアドバイスするのであれば,「ドイツ語の日本語訳を全く見ないのはいいことだけど,一通り勉強が終わったら度の文章の日本語訳を見てドイツ語に訳す練習をしよう」だ.ドイツ語だけの文章はネットが普及した今の時代いくらでも見当たる.せっかく日本語訳がついている本を持っているのだから,それを用いてドイツ語訳の練習をすることでアウトプットの練習をするべきであろう.早い話が,もっと常にアウトプットを意識して学習しようということだ.

ということで,「耳が喜ぶドイツ語 – STEP1」が終わった時点での実力は

リスニング < リーディング < スピーキング < ライティング となっていただろう.リーディングがスピーキングより高い理由は,シャドーイングして言っている意味は分かっているからリーディングは結構伸びた反面,シャドーイングすることで音として文を記憶するだけの作業で上がったスピーキング力はリーディングの伸び幅ほどではないという考え方に基づいている.

大量のインプットにのめり込んだ

「耳が喜ぶドイツ語 – STEP1」の段階では「アウトプットとインプットの学習バランスが崩れた」ということは間違いないが,全体としては実力を伸ばしてくれたので,そこまでインプットに偏りを見せたわけではない.この時点ではまだ軌道修正ができたと思う.しかし,何も反省をせずに次の本「最効率! 例文で覚えるドイツ語単語」に手を付けたことで,完全にインプット寄りになってしまった.


最効率! 例文で覚えるドイツ語単語

このときの学習法などは次の投稿に書いた.

最効率! 例文で覚えるドイツ語単語 – 感想

この単語帳を進めるときは,新しい単語を学ぶことにはまっていた.おかげで語彙力はかなり伸びた.今考えると,本の題名に伊達に「最効率」と書いているだけはある.

ただ,あまりにも単語を覚えることに気を取られすぎたのかもしれない.この時も「日本語からドイツ語へ」という作業は行っておらず,日本語を介入させなかった.「ドイツ語だけの世界」で勉強したく自分で望んでそうしたことだった.しかし日本語だけ除けばよかったのに,そこから言葉に表す「イメージ」まで引き抜いてしまったのが悪かった.

昔の自分にアドバイスするのであれば,「学んだドイツ語の会話をイメージとして思い出せるヒントを書いて,それから覚えたドイツ語の会話を喋れるようにしてみましょう」と言うだろう.具体的には,会話を思い出せる状況を簡単な絵で描いて,その絵を見てドイツ語を喋れるような練習だ.なんかTOEICでこんなんあったような...

まぁ,要するに「インプットを大量にするのにはまってたので,アウトプットをないがしろにしていた」といういいわけでしたね.

念のため;大量のインプットはそこまで悪く捉えてはいない

言い訳タイム.いろいろ覚えたり吸収する意欲があったからこそ短時間で(自分にとっては)多くのインプットができたので,このタイミングでインプットに集中したことは悪いことではなかったと思いたい.

反省点を一言で:意識していないから,目先の「楽しさ」に振り回された

そういうこと

これからの対策

悪かったところに気づけたので,今からでも対策を取らなければ.

バランスを優先して,しばらくスピーキングとライティングに振る

英語のときはインプットメインになってしまい,今回のドイツ語もまたそうなってしまいそうなので,何とも言えない気持ちになっている.ドイツ語はインプットとアウトプットのバランスをよくしたい(願わくばアウトプットメインだが,そうはいかなそう),

リスニングについては当たり前のようにいつもやっているので,特に気にかける必要はなさそうである.リーディングについても,よほど複雑な文章でない限りリスニングの意味が分かっていれば後でスペルを確認して語彙力を増やすことで対処できると考えているので,ひとまずは保留.

となると,ライティングとスピーキングに重点を置くっていう結論になる.

こっから先はまだ編集中

ライティングは”Lang-8″を積極活用しよう

まず,ライティングについては”Lang-8″を使って,ネイティブに添削してもらおうと思う.その日に思ったことでいいので,一日一回は添削をしてもらおう.

スピーキングは悩みどころ

今のところ候補は3つ考えている.近いうちに決断を出して取り掛かる.

「口が覚えるドイツ語 スピーキング体得トレーニング 」

英語のスピーキングは「瞬間英作文トレーニング」が評判であり,筆者も使っていたが,ドイツ語でそれに近いのが次の「口が覚えるドイツ語 スピーキング体得トレーニング 」.

CD2枚付 口が覚えるドイツ語 スピーキング体得トレーニング

大分前から目を付けていた本だ.まだドイツ語をよく知らないときにこの本を見たときは「なんか文法ごとに章が区切られてるみたいで,いやだなー」と思ったのが正直なとこだが,ある程度勉強した今改めてみるとそこまで文法ガチガチでもないように思う.「文法ごとに章分け」はいささか大げさで,それよりは「文の型ごとの章分け」ぐらいがよいかもしれない.「いや,どっちも同じだろ」といいたいが,自分の中では少しニュアンスが違う.「文法」っていうと英語を習う際にやってきた退屈なものというイメージになってしまっているが,「文の型」っていうときは「こういういい方はとりあえずこういう風に言うみたいだ.じゃぁ,あとは単語をちょいと変えて,文を少し就職すれば完璧じゃないかー」という気軽なイメージだ.文法には「男性名詞に形容詞がつくとどうのこうの,んでもって,動詞にzuがつくとコレコレ」みたいなガッチガチの奴が含まれるけど.文の型には特にそこまでこだわらないというか.ある程度わかってきたら細かいとこは文法をやって整理したいけど,まずは文の型をしっかりしたい.

要らないこと書いた気もするけど,とりあえず,文の型ごとに章が分かれているから,喋る際の順番とかはみっちり仕込まれるのではないかと思う.

「ドイツ語スピーキング」

反省点のところで「イメージとしての絵から,言葉としてのドイツ語」って言ってたけど,それとピッタシ合う教材が次の「ドイツ語スピーキング」.

ドイツ語スピーキング

扱っている文が会話文で,割と日常的に使いそうなのがいっぱいあるので,こっちもいいかなと思っている.「口が覚えるドイツ語 スピーキング体得トレーニング 」が文の型ごとに章が区切られていたが,こちらは使う場面ごとに章が区切られている.実践を考えるとこっちの本がよさそうだが,「口が覚えるドイツ語 スピーキング体得トレーニング」よりは定着度は低くなりそうな予感もする.

Androidアプリ”Tandem”

お金を出すほどの効果がなさそう判断した場合は,”Tandem”というアプリを使ってみようか検討中.

tandem
Tandem: 言語交換

ネイティブとスピーキングできる機会がただであるのはとても魅力だ.ただ,まだ使い勝手がわからないので,様子見.何回か使ってみて,機会があれば感想を書いてみたいと思っている.

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